構造用合板都市図(岡本太郎賞2023入選作品)

建材である構造用合板の表層に現わす現代都市図。

高層階から眺めると平野部に建築物がどこまでも続いている東京首都圏、そんな都市風景を支える建材の1つが構造用合板です。大量生産性と強度確保の使命を持って製造される構造用合板は、桂剥き工程によりできる「リピートする木目」が特徴的で、その反復して広がる様子が都市のイメージと重なりました。合板と都市風景を重ねるとそこには日本画のような霞や金雲がたなびきだしました。さらに建物と建物の間のもやもやとした木目模様に風や緑など自然の移ろいが次々と想像されていきます。合板はやはり自然物でもあり、街そのものも自然と切り離せないことに気付かされます。

この都市図のほとりに無地の合板で「建材庵」を立て、合板の中から合板都市を眺めるしつらえとした。


「建材庵」
本来は建築材料である構造用合板で庵を建てました。
無地の合板の中から静かに合板都市図を眺めていると、手元の無地の合板にも雲が流れてくるようです。

日本の建材は今でも千利休の頃と同じ尺や寸の規格が使われています。建材庵は1坪(=6尺×6尺=2畳)の小さな空間です。
一組(4人まで)ずつお入り下さい。

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